KT-1000音質改善 02
オリジナルのQ11によるリップルフィルタとシャントレギュレータの特性を比べてみます。上(青)はオリジナル電源回路、下(赤)シャントレギュれた電源回路、周波数特性は、復調の際に変化する電流の影響を確認します。上は振幅特性、下は群遅延特性。オリジナル電源では100Hz以下で抑圧が低減し、群遅延も乱れてきます。シャントレギュレータは、抑圧・群遅延とも平坦で音色が変化しません。このため低域の音力が増し、ぼけた感じが少なくなり焦点が合ってきます。
次に、第一局発を単独電源(ランプ巻線を倍電圧整流し、定電圧回路Q40‾42)を採用したことを訴求しているので、ここを置き換えます。10mAほど消費しています。単独の定電圧回路を利用します。シャントレギュレータ分の電圧を増加させます。R266: 3.9kΩ→4.7kΩ(12.5V→14.9V)、シャントレギュレータで12.3Vにして第一局発に供給します。C4: 100u16V→1000pFに交換します。静かさが改善されます。
ここまで音質改善を行ってきて、RF SelectorをDirectに切り替えると、パッと音場が広がり奥行きと開放感が増します。RF増幅で音質変化がこれほど変化するとは認識していませんでした。通常Front EndはRF AMP 20dB、MIX 6dBでトータル26dB程度の利得を設定します。RF Selector を切り替えるとMIXに注入されるRF成分が20dB変化します。RF AMPとMIX RF側が飽和し周波数変調成分に意図しない位相変調成分が重畳し干渉を起こすと思われます。RF・MIX部もシャントレギュレータを追加するとDirect/Nirmalの音質変化が減少し音場・奥行き・開放感が改善できました。Direct時は、RF AMPがカットオフしてMIXのみ動作し5.5mA、Distance時は21mA流れます。R1: 100Ωを削除。C2: 0.022uFを1000pFに変更。