オーディオで悩ましい問題は低域の再生と言えます。これまで数多くの試みが行われてきました。その中の一つにDCアンプがあります。DCアンプは80年代中頃に各社だしのぎを削って開発されましたがあまり使われなくなりました。当時はCDが登場したばかりで、ソースの主流はLPの時代で、DCアンプが故にウーファーがユサユサ揺れ、それを防ぐために欄ぶるフィルターと呼ばれるハイパスフィルターが使われ、折角の伸びた低域のご利益を聴く機会がありませんでした。DCアンプの実力を聴くことなしに使われなくなったようです。 DCアンプの利点を、オーディオ機器の低域はどこまで必要かと言う観点で見直しました。 一般的には、可聴限界は20Hzなので、20Hzにおける周波数特性は±0dBでなければならないとか、それより余裕を見て2Hzまで伸ばすべき等と様々な意見があります。 ここでは、過度応答に着目しシミュレーションにより必要な低域特性を調べました。 結果、低域遮断周波数(カットオフ)は、0.2Hz以下が望ましいことが確認出来ました。 アンプの入力や段間には、増幅動作を保つために直流を遮断する回路があります。幾つかの製品を見てみると入力部は図1の様に、47kΩの抵抗と2.2uFの容量が使われています。 |
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図1 |
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